大腸がんとは
大腸がんとは、結腸や直腸などの大腸に発生するがんです。
ほとんどの大腸がんは、大腸ポリープががん化して発生します。また、大腸の粘膜に直接発生する大腸がんもあります。
日本人の場合、大腸がん全体の7割が、S状結腸と直腸で発生します。食生活の欧米化などにより、国内の大腸がんの患者数は増加傾向にあります。
大腸がんの症状
大腸がんに初期症状はある？
大腸がんは、初期症状の乏しいがんです。以下のような症状が現れている場合には、すでにある程度進行している疑いが強まります。
ご覧の通り、血便をはじめとする便の異常が症状の大半を占めます。
- 血便
- 下痢、便秘
- 下痢と便秘を繰り返す
- 便が細い
- 残便感
- 腹痛、膨満感
- 食欲不振
- 体重減少
- 貧血
- 便潜血検査で陽性
40歳以上は
なぜ発症しやすい？
大腸がんの原因
大腸がんは、生活習慣病の枠にくくられることもある、生活習慣との関りが深いがんです。
主な原因としては、食生活の欧米化（高脂質・高カロリー）、お酒の飲み過ぎ、野菜・果物の不足、運動不足、肥満、喫煙が挙げられます。
そしてこれらの因子が蓄積し大腸がんの発症率が高くなるのが、40歳以降です。そのため、当院では40歳以上の方に、定期的に大腸カメラ検査を受けることをおすすめしています。
その他、遺伝も一定の関与が指摘されています。大腸がん、大腸ポリープの家族歴がある人は、そうでない人よりも大腸がんの発症リスクが高くなります。
大腸がんのステージ
がんの進行の程度を表すのが、ステージです。大腸がんのステージ分類は、以下のようになっています。
大腸の壁は、内側から粘膜・粘膜下層・固有筋層・漿膜下層・漿膜で構成されています。
| 状態 | |
| ステージ0 | がんが、大腸粘膜に留まっている |
| ステージⅠ | がんが、大腸粘膜から固有筋層へと広がっている |
| ステージⅡ | がんが、固有筋層の外側まで広がっている |
| ステージⅢ | リンパ節への転移が見られる |
| ステージⅣ | 肺や肝臓への転移、または腹膜播種がある |
大腸がんの検査と診断
大腸がんが疑われる場合には、以下のような検査を行います。
大腸カメラ検査
肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体の粘膜を観察します。
内視鏡を通して、粘膜の状態を直接観察できるため、大腸がん、その他の大腸の病気を早期に発見する方法として有効です。
疑わしい部位の組織を採取して病理組織検査を行えば、確定診断ができます。
当院では、内視鏡専門医・指導医による正確な大腸カメラ検査を行っております。鎮静剤を用いて苦痛を最小限に抑えることが可能ですので、初めての方でも安心してご相談ください。
便潜血検査
便を採取し、その中に血液が含まれているかどうかを調べる検査です。肉眼では確認できない、微量の血液でも検出ができます。
ただし、明らかになるのはあくまで「便に血液が含まれているかどうか」であるため、病気の特定および確定診断はできません。便潜血検査で陽性だった場合も、結局は精密検査として大腸カメラ検査を行う必要があります。
一方で、自治体の大腸がん検診としても採用されている通り、たくさんの人の中から大腸がんのリスクが高い人をふるいにかけるスクリーニング検査としては、コストの低さ、簡便さなどの観点から有用です。
大腸がんの治療
早期がんであるか、進行がんであるかによって、治療法は異なります。
早期であれば、身体への負担が少ない内視鏡治療が可能です。
内視鏡治療
早期の大腸がんであれば、内視鏡によって切除し、根治を目指すことが可能です。
ただし、大腸近くのリンパ節の切除が必要である場合には、手術が必要になることもあります。
手術
進行した大腸がんの場合、手術が基本です。
化学療法
内視鏡治療、手術が困難な場合には、化学療法を行います。いわゆる抗がん剤治療のことです。
また、手術と化学療法を組み合わせることもあります。
40歳になったら大腸カメラ
検査を受けてみませんか？
大腸がんは、自覚症状の少ないがんです。血便などの症状が必ず現れるがんではありません。また、自治体で行われる大腸がん検診（便潜血検査）で引っかからなかったのに、実は大腸がんだったというケースも存在します。
何か症状がある場合、多くの患者さんは来院されます。しかし大腸がんという病気のことを考えると、たとえ無症状であっても、40歳以降は定期的に大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。乱れた生活習慣の蓄積などの影響によって、40歳くらいから大腸がんのリスクが上昇するためです。
内視鏡専門医・指導医が、丁寧で苦痛の少ない大腸カメラ検査を行っておりますので、気になる方はぜひ、一度当院にご相談ください。